(※は貴文回想台詞)
※
1(人生の転機ってなぁ人各々で――
2貴文
「親父が三億の借金!? しかも事務所担保したままトンズラこいただぁ!?」
※
3(それが例えいい事であれ、悪いことであれ受け止めないとならない時もある。
4実
「ほんまのほんま。ほれ、借用書しっかりおいて行きよったであいつ」
※
5例えば。例えばだ。一般より少ぉしいい家庭に生まれたとしよう。
欲しいものを買ってとねだれば買っても……らえなかったけど、それなりに経済力のある親の元に生まれた俺、臼杵貴文。
まぁそれなりに小学校行って中学校行って高校に行きました。
家は代々芸能事務所を営んでいたりして。
そんでまぁいきなり経理担当の神宮実さん(54・既婚済み)の人に言われる訳よ。
6実
「結構な奴に借金したようやで貴仁の奴。ぜぇんぶヤーさんがらみの金融業者ばかり。ここまで来るとさすがに天晴れって感じやねぇ」
(紙の音SE)
7貴文(
わなわなと震えながら)
「毎月ひゃ、百万ずつ返済しますって……どう考えたって無理だろうが! 百万ってうちの年収だろ!?」
8実
「でもなぁ、なんやこあ〜いお兄ちゃんが返せなんだら事務所はもらうやらなんやらゆうとったさかい、やっぱかえさなあかんと違うん?」
9貴文
「返すってどうやって!? 今のうちにそんな大金逆立ちしてもないぞ!」
10実
「それはまぁ経理預かっとるわしが一番に知っとるわ」
11貴文
「じゃあどうしろってんだよ!」
12実
「まぁまぁそう怒鳴るな。怒鳴ったところで金は生まれてこんし」
13貴文
「これが怒鳴らずにいれるか!」
14実
「おれんわな」
15貴文
「ああっクソッ……あのバカ親父ぃいーっっ」
※
16(人生の転機。
それは本当に本当にいきなりで突然だった。
臼杵貴文17歳。芸能事務所を経営する親が借金こさえ夫婦そろってトンズラこいた為、今日から高校生兼芸能事務所取締役になります。
(SE・チーン)
(SE・SAGIN・OP)