登場人物

1-sagin       3-sagin 4-sagin
5-sagin 6-sagin 7-sagin 8-sagin
9-sagin 10-sagin 11-sagin

17貴文
「って訳でお前達に集まってもらった訳だけど」

18トナミ
「ってったってさぁ」

19悠太
「俺達が出来る範疇(はんちゅう)超えてるよなカンペキ」

20蘭
「俺達に何が出来るってんだよなぁ」

21シーナ
「新人……だから」

22悠太
「新人歌手の俺達に来る仕事なんてたかが知れてるでしょうし、だって」

23樹
「もう、皆もうちょっと真剣に考えようよ」

24トナミ
「じゃあいっつーなんかいい案あんの?」

25樹
「うっ……な、ないけど、さ」

26蘭
「ほ〜れ見ろ。ちびっこは黙ってろって」

27トナミ(ちびっこと言われて少しムキになって)
「だったら蘭あんちゃんはどうなのさ!」

28蘭(あっけらかんと)
「あるわきゃねーじゃん」

29樹&トナミ
「偉そうに言うなーっ」

30貴文
「はいはい喧嘩すんなってもー」

31※
まぁ確かに、どうにかしようたってMeeting事務所(あ、うちの事務所の名前ね)で唯一のタレントといやぁ今ここに集まってる五人くらいだもんな、まともに仕事してる奴らって。
うちの事務所で今唯一抱えてるタレントは数えて計七人。まずは今相談をしていた奴ら。最近デビューしたばかりの五人組アイドルグループの【SAGIN】

まずは日英で人気のモデルコンビ、シーナ・S(セドリック)・ミラグロスと崎原悠太。一応今うちの事務所一の稼ぎ頭だ。
次に、年齢が芸歴と言うプロ子役の神田トナミと木之本樹。この二人は語学も堪能とあってか海外でも活動してる。

最後に最近ようやっと顔が売れ出した新人中の新人俳優の奥村蘭。演技力は定評があるものの、プライドが高くわがままだから今伸び悩んでいたりする。
この芸歴も年齢も何もかもバラバラな五人を寄せ集めて結成させたのがアイドルグループSAGINだ。
他に二人いるけど今丁度出払っていない。
とまぁ今お抱えのタレントはこいつらだけで、いくらそれなりにギャラ収入があるっても限られてくるしなー……。


32シーナ
「お母様、頼む?」

33悠太
「あ、じゃあ俺も親父に頼んでやるよ。荒稼ぎしてんだ、三億くらい訳ないって」

34蘭
「うへぇ〜やだやだこれだから金持ちってないけ好かねぇんだよ」

35貴文
「気持ちは有難いけど、これは俺の問題だしお前らにそこまでしてもらわなくたっていいって。相談に乗ってくれればそれで十分だ」


36悠太
「誰もやるなんつってないし気にするなって。とりあえずトイチでど?」

37貴文
「余計タチ悪いわ!!」

38シーナ(呆れため息)
「悠太、ダメ」

39樹
「でもどうするの? 次の返済って確か今月末……再来週だよね?」

40貴文
「ん〜問題はそこなんだよ。一応実さんにも何か仕
事ないかあたってもらってんだ」

41トナミ
「新しいCD作ってうるとか。曲は海あんちゃんに頼んでさ」

42悠太(悪戯っぽく笑いながら)
「あ〜見えて結構お人好しだし、泣き付けばタダで作ってくれるかもよ海都先輩」

43貴文
「お前らなぁ、今でさえ半分無理矢理タダ同然で提供してもらってんだからこれ以上怒らせる様な事すんなよな」

44トナミ
「じゃ、どうすんの?」

45貴文
「う……だからそれを皆に相談をだな」

46蘭
「相談したとこで現状が回復すんならいくらでものるけどさ」

47トナミ
「うん」

48※
まぁ確かにこいつらの言う通りだよな。いくら相談したとこで何が変わるってんだ。
そんな事わかってるさ。わかってるけどさ……。

49貴文(溜め息をつきながら)
「やっぱガキに経営なんて無理なんかな……」

50トナミ
「そっ、そんな事ないって! 俺、オーディション頑張るし!」

51樹
「俺も新しい仕事頑張ってとるよ!」

52悠太(シーナを見ながら)
「しゃーないなぁ。んじゃ、俺達も今以上に頑張るか。な、相棒」

53シーナ
「つぶれたら俺困るから。イギリスの仕事見つけて」

54悠太「だよなぁぶっちゃけあっちの方がギャラいいし」

55貴文
「おっ、お前ら〜……(感極まり四人に抱き着き)大好き! もうめっちゃ大好き! お前らだけでも残ってくれてよかったよ俺!」

56蘭
「仕方ねぇな。じゃあこの蘭様も一肌脱いでやろうじゃねーの」

57トナミ
「リーダーはとりあえず一回くらいはオーディション受からなきゃな」

58樹
「うん」

59蘭
「ひ、酷い……」
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