登場人物

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スタッフ入り口

シーナ(回想)
「リーダーSAGIN辞める。俳優も辞める。だから樹泣いた」



悠太「(リーダーが辞める。SAGINを……辞める。俺のせいで?)……俺は悪くない。俺はただ。(ただ、なんだ? 結局は俺があんな事言ったのが原因だったんじゃないのか?)」

悠太(回想)
「歳上ってだけでリーダー面すんなっての。万年オーディション惨敗のくせして」

悠太「(けど、リーダーだって俺を侮辱したんだ。親の七光りだって! それが嫌だったから俺はあいつらの事務所からMeeting事務所に移動したんだ。自由になるために。誰かに操られるピエロじゃない、自分が楽しいって思える仕事をするために!)……クソッ」

SE(着信)

悠太「……はい」

美月『あぁよかった、出て下さいましたね』

悠太「……なんだよ」

美月『19時からKスタジオで撮影なのはご存じですね? 今どこにいるのかはあえて尋ねませんが、仕事には遅れないようにお願いしますよ。何度も行った事がありますし、お一人でも大丈夫でしょう。三人はもうスタジオ入りしました』

悠太「大丈夫に決まってんじゃん、俺を誰だと思ってんだよ」

美月『ええ、だと信じていますよ』

悠太「(嫌みかってんだ)」

美月(少し間をおいて)
『悠太くん。以前僕が君に指摘した弱点覚えていますか?』

悠太「何だよ急に」

美月『君は協調性がなく、素直に人の話を聞かない性格だと言いましたよね。覚えていますか?』

悠太「説教なんて聞く気分じゃないんだけど」

美月『でもね、君はメンバー中では積極的で泣き言も決して言わない。一度受けた仕事はプライドをもって最後までやり遂げる子です。僕は君のそんな所が大好きですし尊敬していますよ』

悠太「そ、んなの。だって俺、プロだし。当たり前じゃん」

美月『ええ。だからこそたった一言の失言で君が誤解されせっかく培ったメンバーとの絆にヒビが入ることが僕には許せません。でも君の事、多分自ら謝る事が出来ずにいるんじゃないかなと思いまして』

悠太(ボソボソと)
「……そんな事、ないし」

美月『本当に?』

悠太(無言)


音声切り替え→

美月「それならいいんですけど。なら早々に仲直りしてしまいなさい。君もこのままがいいなんて思っていないでしょう?」

悠太『……うん』

美月「一人が嫌なら僕も一緒に謝ってあげますから」

悠太『……うん。ちゃんと謝るよ、リーダーに』

美月(ふっと笑みを見せて)
「……いい子です。では気を取り直して今日の撮影頑張って。ええ、ええタクシーの領収書はいつもの通りに。ええ、では」

美月(軽く溜め息)
「まったく、蘭くんといい悠太くんといい素直なのか素直じゃないのか」

SE(足跡)

新城「おや、櫻木くんじゃないか」

美月(一瞬嫌な顔)
「……これはこれは新城プロデューサー。お久しぶりです」

新城「はっは、そんな畏まらずに。私達は同期じゃないかね」

美月「まぁ、年齢はあなたの方が上なので一応ですよ」

新城「はっはっはっ、相変わらずの毒舌家だなお前も」

美月「いいえそれ程でも」

新城「それはそうと、〈こそりと耳打ち〉君達まだ続いてるのかね?」

美月「何がです?」

新城「ほら、あの子なんと言ったかな。あぁそうそう蘭だ蘭、奥村蘭。金末くんのお気に入りだった」

美月「あぁ……元気ですよ。まだ俳優をやってます」

新城「そうか。ほら、彼は色々と……気に入られていたじゃないか、他のプロデューサーや出資会社の社長とかにも。それを横取りする形に君が買っていってしまったからね。かくいう私も彼のことは気に入っていたし。だから君が羨ましくて……」

美月「新城プロデューサー」

新城「な、なんだね?」

美月「ここでそのお話はなさらない方がいいのでは? 壁に耳あり、ご存じですか? バレて立場が危うくなるのはそちらかと」

新城「う、うむ。そう、だな」

美月「それに僕が彼を選んだのではなく彼が僕を選んだんです。買ったなんて誤解を招くような言い方はやめていただきたいですね」

新城「ま、ま、まぁそういきりたつな。ほんの冗談じゃないか」

A「新城プロデューサー!」

新城「お? じゃあ私は失礼するよ。ではな櫻木くん」

SE(足跡)

美月「……ゲスが」

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